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2014/07/01
歯周病と糖尿病
カテゴリ:ブログ
こんばんは
ひろ歯科クリニック 溝口 です。

歯科医院に通院される患者様の中で、
基礎疾患として、糖尿病に罹患されている方の割合が多くなっています。

糖尿病であると歯周病になりやすいことは、ご存知の方も多いかと思いますが、
最近の研究ではその逆で、歯周病で糖尿病が悪化しやすいことも注目されています。

どうやら、歯周病と糖尿病は双方向に悪さをし合っているようです。

糖尿病の方は、糖尿病でない方に比べると
歯周病にかかる確率が2倍以上といわれています。

血液の血糖値が高い状態が続くと、
酸素を身体のすみずみまで運んでいるヘモグロビンが糖と結合し、
糖化ヘモグロビンというベタベタくっつきやすい赤血球に変わります。

この糖化ヘモグロビンが血液のなかに増えると、血液が流れにくく、
からだのすみずみまで十分に酸素がいきわたらなくなるのです。

そのため、細胞の働きが低下して、炎症が直りにくくなり、
免疫細胞の元気もなくなって、感染に対する抵抗力が弱くなります。

歯周病も歯周病菌による感染症ですので、糖尿病の方は歯周病になりやすいのです。

糖尿病の三大合併症として有名なのが、網膜症・腎症・神経障害ですが、
こうした合併症は糖尿病により血流が悪化することで起こりますので、
最近では「歯周病も糖尿病の合併症だ」といわれるようになってきました。

そして、その逆に歯周病があると糖尿病になりやすいことも最近わかってきました。

歯周病菌が白血球などの免疫細胞と戦うと炎症物質が出ますが、
血液の中に流れ込んでいるこの炎症物質が、体内の血糖値を上昇させていることが解明されました。

歯茎から入った炎症物質は、やがて肝臓や内臓脂肪にたどり着き刺激します。
すると、「腫瘍壊死因子」という物質ができ、
糖を消費するインスリンの働きを低下させ、インスリンが働かないことによって
血液中に糖が余って血糖値が上がるというわけです。

糖尿病と歯周病はどうやら双方向に悪さをし合い、
一方が発症するともう一方のリスクが増え、片方が悪くなるともう片方も悪化のリスクが増える
という悪循環を生みやすいようです。

まだまだ解明されていない点はあるのですが、
「糖尿病の方が歯周病の治療をしたら血糖値が改善した」という研究報告もあります。

毎日の歯磨きと歯科医院でのメンテナンスで、
より一層、歯周病と糖尿病の予防に気を配りましょう。

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