こんばんは
ひろ歯科クリニック　溝口　です。

皆さんは、歯根、つまり歯の根っこの治療は受けたことがあるでしょうか？
釘のような専用のヤスリで、歯の中を掃除する治療です。

治療をする前はたいして痛くなかったのに、神経を取る治療を始めたら痛みと腫れが起きた。
もしかして治療が失敗したのではないか…？
歯の根の治療中、そんな風に感じられたことはありませんか？

細菌感染を起こして死んでしまった神経を取り除く、
歯根の治療中に起きがちなこうした痛みを、「フレアアップ」といいます。

特に慢性的な経過を辿っている場合、
細菌の活性状態を免疫によって抑えているといった状態で、
症状が隠れていていますが膿はしっかりと溜まっています。
つまり、自覚症状はないのですが、病状は進行しているといったかたちです。

そんな患者さんに治療を開始したとたんにフレアアップが起きた、などということがあると、
予期しない痛みに患者さんは「治療が失敗したのかも？」ととても不安になってしまいます。

しかし、フレアアップは一時的な炎症で、治療が失敗したわけではまったくありません。

というのも、腐敗した神経を取り除き、詰め物をして歯を使い続けるには、
歯根の先までしっかりと器具を通して掃除する必要があります。

しかし、そのことは同時に、炎症箇所を刺激することになり、
また器具を通すことによって、フレッシュな酸素を根の先に送り込むことになります。

根の先で炎症を慢性化させ静かにしていた細菌は、
器具の刺激と酸素によって一気に活気づきます。

増殖し、膿とガスを出して周囲を強く圧迫するために、
激しい痛みと腫れを引き起こすのです。

こうしたときは、抗生剤を飲んでいただき、
治療途中の仮のふたを外して膿を出すなどの応急処置をします。

すると、数日で痛みと腫れが引きグッと楽になります。

歯の根の治療は回数がかかるので少し大変ですが、最後まで治療を受けましょう。